三文判とは? 浸透印(シヤチハタ)・認印・実印との違いや使用する際の注意点も解説

印鑑の話題の中で「三文判」というワードを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。三文判は日常で使う印鑑の一種ですが、どのような印鑑を指し、ほかの印鑑とどのような違いがあるのでしょうか。

今回は浸透印や認印、実印との違いや特徴、使用する際の注意点について紹介します。

【三文判】浸透印・認印・実印との違いとは

三文判は、大量生産された安く手に入る印鑑の総称です。はんこ屋だけでなく、文房具店や100円ショップ、ホームセンターなどさまざまな場所で販売されています。プラスチック製のものを指し、三文判という名前は江戸時代に貨幣が由来です。

よく店舗の入り口などに置いてある回転式の円柱状のケースを見たことがある方も多いのではないでしょうか。あのケースの中に入っている印鑑が三文判です。100円ショップやホームセンターなどで比較的安価で販売されています。

三文判は値段や用途など浸透印や実印、認印と大きな違いがあります。ここでは、その違いについて解説します。

浸透印との違い

浸透印はインクが内蔵されたゴム製の浸透印のことを指します。浸透印という呼び名は印鑑の名前ではなく、浸透印を広めた会社の名前「シヤチハタ株式会社」だったことからそう呼ばれるようになりました。

浸透印は職場で承認印として使ったり、宅配の受領印として使ったりすることも多く、社会人であればたいてい持っている印鑑です。毎日使っているという方もいるのではないでしょうか。

浸透印も大量生産された印鑑という点では三文判の一種ともいえます。いわゆるプラスチック製の三文判と違う点は、朱肉が必要でない点です。朱肉の代わりになるインクが印面に浸透しており、そのインクで押印できるので朱肉がなくても使うことができます。

浸透印は印面がゴム製であるため強い力で押すと印影が崩れてしまう恐れがあり、実印や銀行印、認印として使用できないケースがほとんどです。

また、大量生産されているので契約などに使うこともできません。認印としても使えないことが多いため、浸透印は重要度の低い書類に押すのが主な使い道となっています。

認印との違い

認印は自治体や銀行などで登録していない印鑑の総称です。浸透印と同じく職場や宅配の受領印など日常のさまざまなシーンで使われるため、誰もが1本は持っている印鑑といえます。

認印も大量生産された印鑑であったり、安価で割れたり欠けたりしやすい素材を使うことが多かったりするため、重要な書類に使えないこともあるのです。そうした部分では、三文判の一種ということもできます。

ただ、三文判を認印として使用するケースもあります。認印を出先で使ったり自宅やオフィスで使ったりする場合に、持ち歩くのを避けるために予備の認印として三文判を使うことも多いのです。

実印との違い

実印は市区町村に申請して登録した印鑑のことで、1人1本しか登録できず法的効力が高いものを指します。同じ市区町村に住む同姓同名の方と同じ印面は登録できないため、正真正銘の本人であることを証明できる印鑑です。

三文判も印鑑登録すれば実印として使用できますが、自治体によっては三文判の登録がNGな場合があります。三文判は大量生産されて販売されている印鑑なので、同じ印面の印鑑を持つ方が多いことから、本人確認をするものとして不適切であると判断されるのです。

三文判を実印として登録するのはリスクが伴うため、実印は専門店で作ったオリジナルのものを登録するのが良いでしょう。

三文判を使用するのにおすすめのシーン

三文判は重要度がそこまで高くない書類などに使用するのがおすすめです。社内の回覧文書などの確認印や履歴書の捺印、郵便物などの受領印なら重要度も高くないので使っても問題ありません。

また、認印が複数ほしい場合に三文判を予備として持っておくと便利です。認印を忘れたときに代わりに使うこともできるため、安価なものをいくつか用意しておくことをおすすめします。

複数あれば仕事でもメインとする認印以外に、外回りに持ち歩く印鑑やデスクに置きっぱなしにしておく印鑑など分けることが可能です。

もし出先で急に認印が必要となった場合でも、よっぽど珍しい苗字でなければ即日印鑑を手に入れることができるのが三文判の大きなメリットです。その場合は近くのホームセンターや100円ショップに向かって三文判を手に入れましょう。

三文判は実印や銀行印として使用できる?

三文判は、実印や銀行印として登録し使用することは可能です。しかし、自治体によっては、偽造の恐れがある三文判を実印として登録するのを避けるところもあるので、一概に登録できるとは言い切れません。

どうしても三文判を登録したい場合はお住まいの自治体への確認が必要となります。申請の前に確認をしてみましょう。

しかし、三文判は安価であるうえ大量生産された印鑑なので、実印や銀行印として使用することはおすすめできません。同じ印影の印鑑が全国に大量に出回っているので本人確認の印鑑として効力があるとは言い難いのです。

また、印鑑に使われているのも安価な素材なので破損しやすくなっています。割れや欠け、変形によって印影が変わる恐れもあるため、大切な場面で押す印鑑として三文判を使用するのは避けるのがベストです。

あくまで重要でない書類や予備の認印としての使い方に限定しましょう。

三文判を使用する際の注意点

三文判は安価で大量生産されたものであることから、使用する際にはいくつかの注意点があります。注意点さえ気をつければ三文判を使ったほうが便利な場面もありますので、使うシーンには気をつけながら使用しましょう。

ここでは、三文判を使用する際の注意点について解説します。

偽造やなりすましリスクに注意する

前述のとおり三文判は大量生産されている印鑑なので、誰でも同じ印面のものを購入できます。なりすましが容易にできてしまうので、三文判が利用できる場面は限定されるのです。契約などの書類に押印する印鑑は三文判を避けたほうが良い場合もあります。

例えば、大きな問題には発展しないであろう会社の内部回覧用の資料に押す確認印や、宅配便の受領印など重要度が高くないものものに限られます。また、出先で急に認印が必要になったときなどにすぐに購入できるので便利です。

偽造ななりすましのリスクがあることを忘れず、重要度の高くないもののみに使うようにしましょう。

変形や劣化するおそれがある

三文判は安価な素材を使って作られているため、落とすなどすると欠けてしまうおそれもあります。変形したり欠けたりすると印影が変わってしまうので、場合によっては印鑑として認めてもらえない可能性もあるのです。

実印や銀行印として登録した場合は、同じ印鑑を使用していても変形している場合は無効となるため注意が必要となります。大切な契約やお金に関する書類に使う印鑑は、耐久性のある素材を使用したものにしたほうが良いでしょう。

まとめ

浸透印と三文判は朱肉が必要か必要でないかという違いはあるものの、使用シーンや大量生産されたものであるという点では共通しています。浸透印も三文判の一種であるということもできるのです。

三文判は安価でどこにでも手に入るので予備の認印として使用する方もたくさんいます。しかし、実印や銀行印として使用するにはリスクを伴いますので、実印や銀行印に適した印鑑を用意するのがベストです。